マリア・ルイサ | クラシックギター楽譜紹介
アルゼンチン出身のギタリスト/作曲家サグレラス(Julio Salvador Sagreras, 1879-1942)による代表的な小品《マリア・ルイサ(Maria Luisa)》。
技巧的にもシンプルで可愛らしい曲調が魅力のこの曲は、クラシックギターの名曲として世界中で親しまれています。
技巧的な難易度はあまり高くないものの、音楽的に充実した曲を探されている方にはぴったりの一曲です。
楽曲について
- 曲名 :マリア・ルイサ(Maria Luisa)
- 作曲者 :フリオ・サルバドール・サグレラス(Julio Salvador Sagreras, 1879-1942)
- 難易度 :3.Intermediate
- 形式 :クラシックギター独奏
- 楽譜販売:準備中
演奏・譜面動画
楽曲解説
曲について
この曲は、サグレラスの作品集『3つのやさしい小品(Tres Piezas Faciles)、Op.19』の第2曲に収められている曲です。
彼と同じアルゼンチンの女性ギタリスト、マリア・ルイサ・アニード(Maria Luisa Anido, 1907-1996)のために書かれたと言われています。
初級の終わりから中級にかけてよく取り上げられる曲ですが、表現を含めてちゃんと弾きこなすのは難しい曲かもしれません。
とはいえ親しみのあるメロディとマズルカの軽快なリズムが魅力的な曲ですので、基本的な奏法技術が身につき、少し技巧的かつ音楽的に充実した曲を弾きたいという人にはかなりおすすめの曲です。
マリア・ルイサって誰?
タイトルにあるこの名前は、ある実在の人物を指すと言われています。
その容姿とロマンティックな演奏から「ギター界の貴婦人」と呼ばれたアルゼンチンの女性ギタリスト、マリア・ルイサ・アニードです。
彼女はスペイン・ギター界の巨匠ミゲル・リョベートに師事した天才的なギタリストであり、同時期に活躍したイダ・プレスティー(Ida Presti, 1924-1967)、ルイゼ・ワルカー(Luise Walker, 1910-1998)とともに三大女流ギタリストとして知られています。
幼少期からギターの才能を発揮した彼女に魅せられ、サグレラスがこの作品を捧げたようです。
演奏ポイント
指運について
1小節目から2小節にかけて、一気にラからオクターブ上のミまで駆け上がります。
本譜では1弦開放弦を含む指運としてありますが、ここは様々な指運が考えられるので、五線譜が読める方はいろいろと試してみてもいいかと思います。
声部を考えて弾いてみる
譜面では旋律部と伴奏部の2声で書かれていますが、よくよく聞いてみると3声のほうがふさわしいと思われる個所があります。
例えば2,3,4小節目の伴奏部などは顕著で、各の1拍目と2,3拍目の音符は声部が分かれている方が納得がいくように思います。
また、これらの音符には特に音価に対する指示はありませんが、2,3拍目の分音符はスタッカート気味に弾いた方が軽快な雰囲気が出そうです。
クラシックギターの譜面はしっかりと声部を分けて書いているものもありますが(特にソルなどは顕著でしょうか)、マリア・ルイサに関してはこのあたりの音楽的な表現を演奏者に委ねています。
声部に限らず音価についても、この曲の譜面はあまり具体的な指示はありません。
それゆえ、マリア・ルイサの演奏は奏者によっては雰囲気が結構変わるようです。
演奏者自身が「こう聴かせたい」という思考を持ちつつ練習されると良いかと思います。
楽譜情報・販売リンク
譜面はPiascoreで販売しています。
購入後PDFでダウンロードし、コンビニなどのコピー機で印刷してご使用ください。
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